うなぎだよ

ゆとり世代が好きなものについて呟く

ELLEGARDENが10年ぶりに復活するらしいので超個人的エルレのおすすめアルバムベスト3を書く

ELLEGARDENが10年ぶりに復活するらしい。

http://ellegarden.jp/top/

考えてみてほしい。ここ最近、こんなにも興奮するニュースがあっただろうか。世間はネガティブなニュースに溢れている。政治問題。芸能人の性犯罪。石原さとみの沖縄旅行。あぁ…IT社長になりたい…。

そんな辛く厳しい世界に天使の如く舞い降りた光り輝くニュースがこれですよ。これ。エルレ復活。アラサーの僕にとってエルレは青春を彩る思い出の一つ。「エモさ」という言葉を体現したようなその音楽とスタイルは、多感な10代男子であるところの僕に刺さりまくりました。好き。活動休止が発表されたときは落ち込んだものです。ボーカルの細美さんはその後も別のバンドで活動しているものの、やはりエルレの代わりはいない。いないんです。この復活を待ち望んでいた人々が、5000兆人はいることでしょう。それくらいのビッグニュースなのです!ウェルカムバック、エルレガーデン

そんなわけでエルレへの愛が久々に盛り上がってきたため、「エルレって懐かしい!でも実はあんまり知らない」「メジャーな曲だけ知ってる」「新しめの曲ならわかる」「MONOEYESなら知ってる」「the HIATUSの方が好き」「なんかよく分からんけど盛り上がってるから聞いてみようかな」そんな方々に向けて、完全なる独断と偏見で決めたELLEGARDENのアルバムおすすめ度ランキングベスト3を作成しました。何かの参考になれば幸いです!

 

ちなみにですが、先に言ってしまうと一番おすすめのアルバムはベスト盤です。だってベストなんですもの。何も知らない人はとりあえずベストを聴きましょう。(前も同じようなこと書いた気がする)

ELLEGARDEN BEST(1999~2008)

ELLEGARDEN BEST(1999~2008)

 

 なので今回もベスト盤は除外した上でのランキングとしております。それではどうぞ。

 

 

ELLEGARDENおすすめアルバムベスト3

第3位「Pepperoni Quattro」(ペパロニ・クアットロ)

2004年発売の3rdフルアルバム。シングル曲なんと未収録。 

Pepperoni Quattro

Pepperoni Quattro

 

「Supernova」で始まる本アルバム。もうとにかくこの曲が好きすぎる。シンプルかつ青臭さMAXな歌詞が、激しい曲調、荒々しい歌い方もあいまって最高にエモい。今でこそエモいという言葉が流行りつつあるようですが、エモいといえばエルレエルレといえばエモい。そしてその代表はこのSupernova。そう思ってます。カラオケで歌った時の爽快感、ぱない。最高。シーズゴーーーーーーーーン!

ほんでまた二曲目よ。「スターフィッシュ」ですよ。一曲目とは一転してかわいいというかほのぼのした曲調ですが、これまたエモい。エモすぎる。なんなんだこのエモさはどこから来てるんだ。サビの最後の「とか〜♪」でテンションが上がるようならあなたはエルレ好きになれるポテンシャルを秘めています。間違いない。いやぁいい曲だ。

その他にも「Pizza Man」「ロストワールド」など良曲盛りだくさん。最初から最後まで安心して聞ける良アルバムです。ただ個人的にはとにかくSupernovaとスターフィッシュがものすんごい好き。今もスターフィッシュ聴きながらこれ書いてますけど、ああああ好きいいいい!もう一回だけ言わせて、好き!

 

ちなみにですが、エルレを全然知らない人向けにちょっとだけ解説すると、半分以上の曲は全英詞です。かなり平易な英語で書かれた歌詞ですが、聞いた当時は全然意味がわからず。ネットで必死に日本語訳を探したのがついこの間のようだ…。

 

 

第2位「RIOT ON THE GRILL」(ライオット・オン・ザ・グリル)

2005年発売の4thフルアルバム。シングル曲「Missing」収録。ちなみにタイトルのカタカナ表記はWikipediaから引用させていただいております。

RIOT ON THE GRILL

RIOT ON THE GRILL

 

このアルバムやばいんすよ。いやほんとに名曲揃いまくってるんすよ。ほんとっすよ。

まず一曲目「Red Hot」。 これは大変に思い出深い曲です。なにかというと僕がエルレにハマったきっかけの曲なのです。多分それまでも何曲かは聞いたことあったんですけど、これ聞いて目覚めました。このスピード感、爽快感。中毒です中毒。とにかくカラオケで歌いたくってすんごい練習した記憶ある。早口でハイテンポで、首振りながらノってたらいつの間にか終わってる。あれ、なんか30秒くらいで終わらなかった?そんな錯覚を覚える曲です。疾走感たまらん。ほんでサビのはじめの"I got the"の言い方の癖、好き。本当に本当に好きな曲。

それから二曲目の「モンスター」ですわ。もう、何?一曲目に英詞の名曲からの二曲目に日本語詞っていうパターン、流行ってんの?さっきと一緒なんですけど?って流行ってたまるかー!そんな狙って名曲作れるわけないやろ!って感じなんですけど(?)、細美さんはいとも軽々とやってのけるんですねえ…。かっこ良すぎィ…。

この曲はとにかくもう格好いいとしか言いようがないです。こんな格好いいサビには初めて出会った!と思ったものです。あと2番のサビ後によく英詞入れてくるんですけど、さっきまで日本語だったのにいきなりクソ発音いい英語に変わるのめちゃくちゃカッコよくないですか?僕だけですか?好き。

「Marry Me」や「Missing」も人気のある素晴らしい曲だし、「Board Of Everything」「TV Maniacs」なんかは細美さんのよくやる「誇張しすぎ感あるアメリカっぽさ」にあふれた歌詞で面白い。てかTV Maniacsすげーかっこいい。Cookie Monsterの発音良すぎてハゲそうになる。「虹」とか「I Hate It」も地味ながらすごいいい曲だし…。「虹」はアジカンの後藤さん、ストレイテナーのホリエさんと一緒に虹を見て作った曲らしい、っていうエピソードもなんかよくわかんないけどすげぇいいし。なんだよ。良すぎんだよ畜生。っていうわけで2位です。はぁ。好きすぎてため息出るわ。

 

 

第1位 「DON'T TRUST ANYONE BUT US」(ドント・トラスト・エニーワン・バット・アス)

 2002年発売の1stフルアルバム。シングル曲「Bare Foot」「指輪」収録。

DON’T TRUST ANYONE BUT US

DON’T TRUST ANYONE BUT US

 

 あーもう悩んだ。超悩んだ。ウルトラ悩みましたけどこちらを1位にしました。なぜか?決め手となったのはずばり「エモさ」です。エモさ、圧倒的ナンバー1。優勝。

正直、このアルバムめっちゃ荒削りなんですよ。他のアルバム、特に最新作の「ELEVEN FIRE CRACKERS」とか聞いた後に聞いてみると、どんどん洗練されていってるんだなーとしみじみします。だがそれがいい荒削りさとエモさは非なるものなれど、どこか似たものを感じます。歌い方も全然違うし、演奏も上手くなってる(多分)。でもやっぱり、このアルバムが聴きたくなる時があるんです。名盤。

曲解説なんかもはや要らないんじゃないかと思いますが、まあ例によって一曲目「My Favorite Song」からの二曲目「サンタクロース」という英詞→日本語詞のパターンには言及せざるを得ないと言いますか、この頃からだったんですね。納得。

そいでMy Favorite Songですよ。この曲、良すぎません?歌詞がね、本当にいいんですよ。これもまあ大変にシンプルな歌詞で、高尚な思想をお持ちのアダルトな方々には「幼稚だ」と言われそうな気さえする、そんな歌詞です。でもなんか、聞いてて幸せになれるというか。エルレを知って10年以上になりますが、10年前も、今も、My Favorite Songを聞いたら同じ感情を抱くんです。人生のいろんなしがらみを一旦忘れて、自分の好きなことだけ考えてみよう。人生楽しもう。そんな気にさせてくれる歌です。"All I wanna do is to be with my favorite things"だなんて、大きな声で言える細美さんは素敵すぎます。シビれる。

その他にも激しい曲やしっとりした曲など色々あります。エルレの中では比較的しっとりめの曲が多いアルバムのような気がしますね。「Can You Feel Like I Do」「Middle Of Nowhere」「Lonesome」あたりは他のアルバムでは見られない名しっとり曲だと思います。特に歌い方がこれ以降のアルバムとは違っていい味出てます。良い。

シングル曲「Bare Foot」「指輪」ももちろん良いです。が、ファンの中でも名曲と名高い(と勝手に思っている)、「月」と「風の日」。この二つの日本語曲がはちゃめちゃに良いです。はちゃめちゃに良いってどないやねん、どんな表現やねんこのボキャ貧オタンコナスが。そんな風に思われたかもしれません。でもちょっと待って下さい。はちゃめちゃに良いんですよこれが。なんかよくわからないけど良い。エモい。なぜだかエモさが溢れて止まらない。そんな感情を表現するのに最適な語彙が見つからなかったんです…許してください…。なんて謝ってしまうくらいのエモさ。ザ・名曲。控えめに言って神。なんだ、ただの神かぁ。びっくりした〜。そんなことを思わずつぶやいてしまいそうになります。(ならない)

そして最後に触れておきたいのが、アルバム名です!Don't trust anyone but usですよ?よく考えてみてください。冷静に考えたらなんかダサいような気もしますけど、そんなことより異常じゃないですか。エモさが。こんなエモいタイトルないですよ。エモさは「恥ずかしさ」にも似ている気がします。こんなに恥ずかしいタイトルなかなか思いつかないですよ。でもそこは英語にすることでなんとなく恥ずかしさを緩和して良い感じのエモさに昇華されている、そんなイメージを持っているのは僕だけかもしれませんが、アルバム名まで好きっていうのはなかなかないことなので大変に良いアルバム名だと思います。好きだ。

 

 

無駄話が過ぎた感が尋常じゃないですが、そういうわけで僕が独断と偏見で選んだエルレのおすすめアルバムベスト3は以下の通りです。

 

第1位:「DON'T TRUST ANYONE BUT US」

 

第2位:「RIOT ON THE GRILL」

 

第3位:「Pepperoni Quattro」

 

 

…と長々と書いてきましたが、ちょっと待って!待ってください!他のアルバムも良いんですよ…とてもよいのです…せっかくだから残りのアルバムもちらっと紹介させてくださいお願いします。お願いします。。

 

 というわけで残りのアルバムも全部紹介

「ELEVEN FIRE CRACKERS」(イレヴン・ファイヤー・クラッカーズ)

2006年発売の5thフルアルバム。シングル曲「Space Sonic」「Salamander」収録。現時点での最新作。もう12年も前とか…こわい… 

ELEVEN FIRE CRACKERS

ELEVEN FIRE CRACKERS

 

ELLEGARDENの新たな境地を切り開いたと勝手に思っている一作。より洗練されてクールなサウンドになった。初期のような激エモさは若干なりを潜めているものの、「Space Sonic」や「Salamander」「高架線」あたりのエモさは健在。

全体的に音が格好良くて、聞いててテンション上がります。表題曲の「Fire Cracker」「Gunpowder Valentine」「アッシュ」らへんのクールな格好良さは今までになかったエルレの良さが出ていると思う。

個人的には「Alternative Plans」もお気に入りです。全体的にクオリティ高いアルバム。ベスト3に入れるかめちゃくちゃ悩みました。初めてエルレを聞く人でも聞きやすいかも。

 

「BRING YOUR BOARD!!」(ブリング・ユア・ボード)

2003年発売の2ndフルアルバム。シングル曲「ジターバグ」収録。

BRING YOUR BOARD!!

BRING YOUR BOARD!!

 

「ジターバグ」はファンには言わずと知れた(?)名曲。というか、またまた1曲目「Surfrider Association」→2曲目「ジターバグ」という英詞&日本語詞のワンツーが炸裂してます。ジターバグめちゃ良いんですよねー。日本語曲では1,2を争う名曲です。もちろん個人的意見ですが。

そしてもう一曲、「No. 13」という超名曲が収録されています。これが素晴らしいんですよまた…。もう聞いてくれとしか言いようがない。ナンバーサーティーーンって言いたくなること間違いなしです。

あと「金星」。これもまた良い歌。。泣きそう。。日本語曲って全体でも結構少ないんですけど、名曲率が高いです。はぁ良い。「Wannabies」「Insane」あたりも割と好きです。

まあそんなこんなで色々入ってる良いアルバムですが、中でも「ジターバグ」「No. 13」「金星」の三曲がとってもおすすめです。

 

ELLEGARDEN」(エルレガーデン

 2001年発売のインディーズデビューアルバム。収録曲は5曲。

ELLEGARDEN

ELLEGARDEN

 

 これがまた名盤なんですよ。。名曲とか名盤とか言い過ぎだと思われるかもしれないけど、事実なんだから仕方がない。曲数少ないしランキングには入りませんでしたが。

各フルアルバムとは若干異なる作風。DON'T TRUST ANYONE BUT USとは結構近い感じです。激しさがかなり抑えめ。「花」とか結構よく聞いてました。味があって玄人好みなアルバムという感じです。

 

「My Own Destruction」(マイ・オウン・ディストラクション)

 2002年発売の2ndミニアルバム。収録曲は6曲。

My Own Destruction

My Own Destruction

 

 …すみません、ここまでダラダラと6000字以上も書いておいてなんですが、このアルバムあんまりちゃんと聞いてません。。やばいにわかがバレる。。一曲目の「(Can't Remember) How We Used To Be」はベスト盤にも収録されている曲で、疾走感溢れる気持ちの良い曲です。それ以外は…どんなんだったかなぁ。気になる方はもっと詳しい方に聞くか、自分で聞いてみてください!

 

 

終わりに

こんな長文を最後まで読んでいただいた方へ。ありがとうございます。

せっかくなので余談を少し。高校生くらいまで英語に全く興味のなかった自分ですが、エルレにハマったのがきっかけで英語に興味を持ち、英語がわかるようになりたい、また発音がよくなりたいという思いが芽生え、エルレの歌詞で英語の勉強をし、それからなんやかんやで英語を学び続け、いつしかある程度話せるようになり、今は英語でコミュニケーションを取りながら外国人の同僚と仕事をしたりしています。マジです。全てがエルレのおかげとはもちろん言いませんが、きっかけを与えたくれたのは確かで、その点に関してELLEGARDENというバンド、細美さんという人物に大変感謝しています。本当にありがとうございます。

僕はライブとかあまり行かない方なのですが、もし機会があればエルレ復活ライブに参戦したいなーと思っております。行けなかったとしても、新曲出してくれたりなんかした日にゃあ小躍りするでしょう。ちっちゃなガッツポーズも。いやあ楽しみだなあ。

あと、好きなものについて思いっきり語るってめっちゃ気持ちいいからみんなやったほうがいいですよ。まさにMy  Favorite Song。なんちって。オチがついたような気がしないでもないので、この辺で失礼します。

 

シン・ゴジラはボッタクリ映画だ。

シンゴジラ観たんですよ。二回。んで三回目も行こうと思ってる次第です。なんでこんなに何回も行かなきゃいけねぇんだよ金かかるじゃねーか!!ちくしょう!!ボッタクリだ!!

というわけで、なぜシンゴジラはこんなにもボッタクリなのか、もとい、なぜ何度も観たくなってしまうのか。僕なりの感想をゴリゴリネタバレしながら書いてみたいと思います。

情報量が多い

シンゴジラでは、登場人物がとにかく小難しい言葉を使い、早口で喋ります。しかも複数人がテンポ良くまくしたてるシーンが多く、少しの聞き逃しも許されない。さらにテロップや資料などもあるため一回の視聴で全ての情報を把握するのはほぼ不可能。というか二回観たけどまだ全部わかってない。前半の登場人物とか全く覚えられない。あとから「あの人すごくよかったよね!ほらあの…」ってなるんだよ!名前も役職も覚えてねえよ!もっかい観るしかないじゃないか!ボッタクリだ!!

小ネタが多い

なんか色々パロディネタがたくさんあるらしいんですよ。知らんけど。ネットで調べてもう一回見に行かないと…。さらに、有名人をチョイ役で出す的なネタが盛りだくさんなんですよ!観たあとで「前田敦子出てきたねー」「えっ、マジ…?」「KREVAもいたよね」「庵野監督もいるらしいよ」って知るかー!前情報なしで見つけられるわけあるか!隠れミッ◯ーか!もっかい観るしかないじゃねーか!ボッタクリだ!!

観たあとの気分が良い

映画の後半部分って、国連核兵器使用決定という非常に大きな絶望シーンから、全てのことが上手くいって最後は完全なるハッピーエンドなんですよね。派手な演出こそないですが、古今まれに見るハッピーな終わり方ですよ。だから、見終わったあとすごく心地いいんですよね。俺も、頑張ろう…。なんて思ってしまったりして。あの気持ちよさをもう一回味わいたいんですよ!観に行くしかないじゃないですか!ちくしょう!ボッタクリだ!!

何度も観ると印象が変わる

映画の前半部分では、閣僚会議のシーンが大半を占めています。これって明らかに、会議ばかりで物事がなかなか進まない霞が関を揶揄してるじゃないですか。そんな中、主人公の矢口だけが本質を見抜き迅速な行動を起こそうと奮闘している。矢口だけは周りの老人たちとは違う。そんなイメージを、一度目の視聴では受けました。

ところがですよ、二回目観たら、違うんです。閣僚の方々、めちゃめちゃかっこいいんですよ。日本の政治のシステムの中で、それぞれの仕事を的確に、迅速にこなしている。若干怪しい人もいますけれども、各々のキャラが本当に立っている。かっこいい。

分かりやすい笑いどころとして特徴的なシーンがあります。ゴジラに対してどう対処するかを決めかねている場面で、矢口蘭堂が耐えかねて「これこれこうしてください」と言うと、「それ、どの役所に言ったんですか?」と返される。ここで観客席では笑いが起きるわけです。「いやー典型的お役所仕事だなあ〜」的な笑いですね。

しかしどうでしょう、他の登場人物の発言に対してこのような返答がいちどでもありましたか?ないですよね。霞が関で物事を進めるためにはどの省庁を動かせばいいか、どの会議を開けばいいか、どのタイミングで会見を開くべきか。そういったことを、矢口"以外"は皆熟知していたわけです。矢口くん、意外とお子ちゃまなんだね。そんな風にさえ思えてしまいました。(一回目は矢口かっけー!とかいってシビれてたくせに…)

そうなると、ゴジラに破壊された跡地での赤坂さんの台詞であったり、もうとにかくいろんなものが、一度目に観たときと全っ然印象が違う。石原さとみの変なルー語にもすっかり慣れているのでもはや好印象しかないですし。いやあのキャラは本当にすごいですね。登場人物が多いのでそれぞれをそこまで深く観察する余裕がなかった一度目と比べ、二度目は余裕があるのでキャラの立ち方がより良くわかって楽しいです。みんながみんな、いいキャラなんだよなあ…。

何度も見る度面白くなるのでボッタクリである

二回観ただけでこんなにもたくさんの発見や感動があるなんて、三回目も行くしかないじゃないですか!そして三回目もどうせ、四回目行くしかないとか言ってしまうんですよ!ちくしょう!!ボッタクリだーーーー!!!!

アニメ「僕街」が面白い上にOP曲がとても良いので超個人的アジカンのアルバムおすすめ度ランキングを書いた

僕だけがいない街、通称僕街というアニメが面白い。

とても面白くて毎週楽しみに見ているのだが、アニメ本編もさることながらオープニングテーマが良い。良いのです。とても良い。 

そう、ASIAN KUNG-FU GENERATIONです。アジカンなんです。しかも「Re:Re:」という往年の名曲をまさかのリレコーディング!アツい!おまけにイントロや歌い方がライブバージョンチックになっており、そりゃもうファンの心を鷲掴みなのです。アツい…アツいよ…

そんなわけで、「僕街」のOPを聞いて「あれっ、アジカン結構いいな」と思った方、「そういえばアジカンってちゃんと聞いたことないな」「ベストだけ持ってる」「昔は聞いてたけど途中までしか知らない」「新しいのしかしらない」そんな方々に向けて、完全なる独断と偏見で決めたアジカンのアルバムおすすめ度ランキングベスト3を作成しました。何かの参考になれば幸いです!

 

ちなみにですが、先に言ってしまうと最もおすすめのアルバムはベスト盤です。それはもう仕方ないです。ベストなんですもの。

BEST HIT AKG

BEST HIT AKG

 

 なので今回はベスト盤以外を対象としております。それではどうぞ。

 

第3位 「君繋ファイブエム おすすめ度:☆☆☆☆★

 2003年発売の1stフルアルバム。シングル曲「未来の破片」「君という花」収録。

君繋ファイブエム

君繋ファイブエム

 

初期衝動あふれる一作。とにかく全曲アジカン節が炸裂しまくってます。最近の作品と比べてみると、やはりこの頃は激しさがすごい。とにかく叫んで、叫んで、叫んでます。アツいです。

一曲目の「フラッシュバック」→「未来の破片」はもはやお決まりの流れ。アジカン屈指のライブ曲「アンダースタンド」や、名曲中の名曲として名高い「君という花」など、素晴らしい曲が揃っています。個人的には「自閉探索」「夏の日、残像」あたりもすごく好き。というか全曲良いです。良いのです。とにかくアツくて激しいんですが、その中にある青臭さや焦燥感、悲哀感とでもいうのでしょうか。初期のアジカンはそれがいいんですよね。アツいアジカンが好きな人なら完全におすすめです。おすすめ度4.5。

 

第2位 「ワールド ワールド ワールド」 おすすめ度:☆☆☆☆☆ 

2008年発売の4thフルアルバム。シングル曲「アフターダーク」「転がる岩、君に朝が降る」「或る街の群青」収録。

ワールド ワールド ワールド

ワールド ワールド ワールド

 

初期の頃の荒さや青臭さは影を潜め、洗練された雰囲気をまとうようになったこのアルバム。正直、聞き始めは戸惑いを覚えるほどでした。これがアジカンなのかと。変わってしまったのかと。でも今となっては分かります。これがアジカンなんです。ええ。素晴らしいアルバムです本当に。

まぁ兎にも角にも「アフターダーク」ですよ。いきなりかましてきます。良すぎです。BLEACHの主題歌だったので知名度も高く、曲も歌詞も素晴らしい。

「夢なら覚めた だけど僕らは何もしていない 進め」

ってサビ!熱すぎでしょ!ここで突如、ゴッチ(ボーカル)がブログ( Vo.ゴッチの日記 )に書かれていた曲解説を引用したい。

”時間は不可逆ですよね。一秒だって、戻ることはないのです。そう考えると、いつだってこれから何をするのかが大切だなと、私は思います。だから、「現在」というこの地点に立てば、いつだって私は「まだ何もしていない状態」なのだと、そう感じています。”

いやもう、素敵やん?最高やん?紳介兄やんも絶対こう言いますやん?アフターダーク、最高。

もちろんその先も良いです。アルバムを通しての「流れ」がすごく滑らかというか。気が付けば全編通して聞いてしまいます。その中でも「ライカ」→「惑星」のところがすごく良いですね。どちらもライブで盛り上がること間違いなしの名曲。惑星とかライブ時の演出が超カッコいいんですよ。一回しか見たことないけど。いやはや。そして「転がる岩、君に朝が降る」、「ワールド ワールド」を挟んでの鉄コン筋クリート主題歌「或る街の群青」、そしてラストの「新しい世界」。いやすごい。「ライカ」からの名曲ラッシュしゅごい…。名曲が止まらない。新しい世界の歌詞とかマジで好き。退屈な夜はAのコードを三角形で搔きむしるし、憂鬱な君はEなコードを流線型で引きちぎるんですよ!?指先、開放二弦の刹那と想像力で世界が変わるんですよ!!新しい世界!世界!世界!何言ってんだ俺!おすすめ度5.0です!

 

第1位 「ソルファ」 おすすめ度:☆☆☆☆☆ 

2004年発売の2ndフルアルバム。件の僕街OP曲「Re:Re:」や、かの有名な「リライト」、「サイレン」「君の街まで」「ループ&ループ」収録。

ソルファ

ソルファ

 

 ということで、こちらを一位ということにさせていただきました。「消してええええええええリライトしてえええええええ」的なサビで有名な、おそらくアジカンの中で最も有名であろう曲「リライト」。僕街OPの「Re:Re:」。そして謎のザリガニPVで有名な「君の街まで」、「サイレン」、「ループ&ループ」とシングル曲が半端ないです。。どれもが良い。好い。ていうか「Re:Re:」は全曲中でも相当好きな曲なので、僕街が本当にアツい。アツすぎる。最高やでぇ…。

また、それ以外も地味に名曲ぞろいです。一曲目の「振動覚」。ギターめちゃくそかっこいいです。そして歌詞もよい。中学生、いや高校生のときだったか、ドハマりしましたね本当に。曲も歌詞もドチャクソ格好いいんですよ。

「特別な才能を 何ひとつ持たずとも 君の閉じる闇を打ち抜く」

10代の悩める僕の心が完全に打ち抜かれました。後藤様。感動をありがとう。他にも「マイワールド」「24時」「海岸通り」とか一曲一曲のクオリティが本当に高い。

というわけで、曲の知名度・クオリティ・世界観などなど完璧に近い作品だと僕は勝手に思っています。アジカンを代表するアルバムと(勝手に)言ってしまっていいと思います。とか書いたらまたゴッチが機嫌を損ねてリライト以外も聞いてくれ*1とか言ってしまうのだろうか…。余計なお世話ですか。そうですか。おすすめ度は文句なしの5.0です。皆様ぜひ!

 

そんなわけで僕のアジカンおすすめアルバムベスト3は以下の通りです。

第1位:「ソルファ」

第2位:「ワールド ワールド ワールド

第3位:「君繋ファイブエム

 

だがしかし!正直他のアルバムも聴いてほしい!というわけで残りの全アルバムもおすすめ度つきで紹介したいと思いますどうぞ。

 

崩壊アンプリファー」 おすすめ度:☆☆☆★

 2002年発売のメジャーデビュー作となる1stミニアルバム。一曲目の「遥か彼方」はベストにも収録された名曲。ナルトのオープニングテーマにも採用された。

崩壊アンプリファー

崩壊アンプリファー

 

渋い。これは渋いです。いやもちろんいい意味でですよ。「遥か彼方」「羅針盤」なんかは初期衝動あふれる勢いのある曲ですが、「粉雪」「青の歌」あたりは結構異彩を放っているような気がします。アジカンっぽいと言えばそうかもしれませんが、何とも言えない青臭さや荒さが全曲から漂っていて他のアルバムとは一味違う感じです。ミニアルバムなので収録曲は6曲ですが、どれも印象に残る面白い曲です。が、ちょっと玄人好みすぎるかな…ということでおすすめ度は低めの3.5です。好きなんですけどね。「サンデイ」とか好きです。はじめて聞いたとき、こんなサビある?って思いましたよね。インパクトがすごい。

 

「未だ見ぬ明日に」 おすすめ度:☆☆☆☆★

2008年発売の2ndミニアルバム。前作「ワールド ワールド ワールド」から3か月で製作されたらしい。収録曲は6曲。

未だ見ぬ明日に

未だ見ぬ明日に

 

 ミニアルバムということで6曲しか収録されていないんですけど、どの曲も完成度がめちゃくちゃ高い。まず一曲目の「脈打つ生命」がいきなりやばい。格好良すぎるギターをガツンと掻き鳴らしてきます。めっちゃ好きです。そして「サイエンスフィクション」「ムスタング」と名曲続き。半端ねえですよ。マジ半端ねえ。そしてミドルテンポな「深呼吸」を挟んでの「融雪」。なんですかこのアルバムのギターのキレは。キレッキレですよ本当に。そして最後に表題曲でもある「未だ見ぬ明日に」。この曲はあれです。アジカンの中でも一、二を争う名歌詞だと思います。Aメロはじめあたりはなんだかとても不思議な韻を踏んでいる不可思議な歌詞だと言われてしまえば返す言葉もございませんけれども、サビが、ねえ。素敵だよ。熱いよ。ボーカルのゴッチ曰く「初めて納得した詞を書けた」だそうで。いやはや。とにかく個人的にはめちゃめちゃおすすめのアルバムです。ですが、やっぱ曲数少ないんでおすすめ度は4.5ということで。

 

「ファンクラブ」 おすすめ度:☆☆☆☆★

2006年発売の3rdフルアルバム。シングル曲「ワールドアパート」「ブラックアウト」「ブルートレイン」収録。

ファンクラブ

ファンクラブ

 

 実はこのアルバム、個人的には一番のお気に入りです。なんというか、渋いです。噛めば噛むほど味が出る、スルメアルバムだといっても差し支えないでしょう。名曲ぞろいの「君繋ファイブエム」や「ソルファ」と比較するとどうしても地味な印象がある本アルバム。雰囲気も全体的に暗めです。そもそも一曲目の「暗号のワルツ」からしてなかなかに意味不明ですし。今まではもっと明るく、聞いているだけで元気が出るようなパワーポップ的曲があったのですがこのアルバムにはありません。一貫してシリアスなムード。パッとしない印象。なんですが…違うんですよ。何度も何度も聞いているとどんどん好きになってきます。そもそも「暗号のワルツ」めっちゃよくない!?なんなんこの三拍子感!?ハマる!!ってなります。いやマジで。「ワールドアパート」のイントロの混沌とした雰囲気(byゴッチ)からの激しいサビもスゲーいいし、「桜草」の悲哀感あふれる歌詞、ゴッチお気に入りの「センスレス」、いつになくシリアスな「月光」などなど。そしてなんといっても僕が推したいのは「路地裏のうさぎ」。知名度全然なくて誰も知らないような曲なんですけど、疾走感のある演奏に、Aメロとサビだけのシンプルな曲構成、突き抜けるような気持ちのいいサビ。複雑で暗めな曲の多いファンクラブの中で、このシンプルなカッコよさが際立っています。鳥肌。

といったように、スター曲はないけれどアルバムを通して聞くのがおすすめな玄人向けアルバムです。ただ本当にいいですから!おすすめ度4.5!アジカンにある程度慣れたらぜひ聞いてください!

 

「サーフ ブンガク カマクラ」 おすすめ度:☆☆☆☆

 2008年発売の5thフルアルバム。シングル曲「藤沢ルーザー」、c/w曲「鵠沼サーフ」「江ノ島エスカー」「由比ケ浜カイト」収録。

サーフ ブンガク カマクラ

サーフ ブンガク カマクラ

 

前作「ワールド ワールド ワールド」からわずか8ヶ月で発売されたこのアルバムはアジカンの中でも最も異色と言って良いかも知れません。というのも全曲のタイトルに江ノ島電鉄、通称江ノ電の駅名が入っているというガチガチのコンセプトアルバムで、先に駅名を決め打ちしてから曲を作ったそうです。そんなことできるんかいな。全曲シンプルな曲構成で、大体(全曲?)が一発録りなのだとか。軽快な曲が多く、さらりと全編通して聞けます。個人的には「藤沢ルーザー」が断トツでお気に入り。

「高いリール買おうか 今日はほら 天気がいいから」

ここでいつもグッときます。。ええわほんまに。。コレ。。。あとは「江ノ島エスカー」「稲村ケ崎ジェーン」が好きです。このアルバムは人によって曲の好き嫌いが分かれそうな気がしますね。おすすめ度は4.0で。

 

「マジックディスク」 おすすめ度:☆☆☆☆

2010年発売の6thフルアルバム。シングル曲「新世紀のラブソング」、アニメ「四畳半神話体系」OP曲「迷子犬と雨のビート」、映画「ソラニン」主題歌「ソラニン」収録。

マジックディスク

マジックディスク

 

 なんといっても一曲目、「新世紀のラブソング」です。今までになかったアジカンというか。この曲が収録されているというだけでも、このアルバムを聴く価値があるのではないでしょうか。知らんけど。

かと思いきや二曲目「マジックディスク」。良いです。この疾走感。そして歌詞が面白い。斬新。そしてサビのあれなんなんですかね?音の伸ばし方というか、切り方というか。斬新すぎてビックリしました。まぁなんせテンションの上がる素晴らしい曲です。

三曲目以降は打って変わってポップな雰囲気。「さよならロストジェネレイション」とかいいですね。そして5曲目「迷子犬と雨のビート」。久々に、きた!!と思わせてくれるような曲です。ゴッチ本人も発売当時「個人史としては最高傑作」とうたっていたほどです。「ループ&ループ」や「君という花」を彷彿とさせる、アジカンにしかできないパワーのあるポップです。すごい好きコレ。他にも「ラストダンスは悲しみを乗せて」「マイクロフォン」「イエス」等良い曲揃ってます。そして最後の「ソラニン」はもう言わずもがなですね。なかなかに良いアルバムです。おすすめ度は他アルバムとの兼ね合い上4.0ということで。4.5でも良かったかな、悩ましい。

 

「ランドマーク」 おすすめ度:☆☆☆★

2012年発売の7thフルアルバム。シングル曲「踵で愛を打ち鳴らせ」「それでは、また明日」収録。

ランドマーク

ランドマーク

 

 「サーフ ブンガク カマクラ」あたりからまたなんとなく雰囲気が変わってきたような気がしていました。歌詞が口語的になってきたとか歌い方だとか。本アルバムからは曲調や歌い方も幅が広がり、ロックというよりも、よりポップな仕上がりになっている気がします。気のせいかも知れませんが。捉え方は人それぞれですが、僕は激しいロックが好きなので昔の方が…なんて思ってしまう時もあります。しかしまぁ聞き慣れてくればその辺りは変わるのかも知れません。実際この「ランドマーク」はまだまだ聞き込みが足りていませんので、来年頃になればおすすめ度も上がっているかも。ということで今は今の気持ちに正直に3.5としておきます。「バイシクルレース」「それでは、また明日」「踵で愛を打ち鳴らせ」あたりは好きなんですが。


「Wonder Future」 おすすめ度:????

Wonder Future

Wonder Future

 

 2015年発売の8thフルアルバム。シングル曲「Easter / 復活祭」収録。

実はまだ聞いていません。。。ファン失格だと言われるかも知れませんが、最近は他のバンド達に浮気しておりました。すみません。むしろおすすめ教えてください。ていうかファンに合格も失格もあるか!うるせーこの野郎!(突然キレるという高度な芸)


フィードバックファイル」 おすすめ度:☆☆☆☆

2006年発売のコンピレーション・アルバム。シングルのカップリング曲、未発表曲、ライブ音源から構成される。

フィードバックファイル (初回限定盤)(DVD付)

フィードバックファイル (初回限定盤)(DVD付)

 

 このアルバム、編集版なので正式なフルアルバムという位置づけではなく、あまり知られてないようなんですが、控えめに言って相当良いです。まず1曲目の「エントランス」からすげー良い。なんすかこの爽快感は。なんでこれシングルA面で出さなかったのかマジで疑問。続く「ロケットNo.4」もいいし、なにより3曲目の「絵画教室」。アジカン屈指の名曲です。これこそ何故A面じゃなかったのか…。というか、A面どころか未発表曲だったんですよこれ。信じられない。永らくの未発表期間を経てライブで解禁されてからは、メンバー的にも結構お気に入りなご様子。オルゴールVer.とか流れてたりします。マジ名曲。マジで。出島。その後も「サイレン#」「夕暮れの紅」とか英詞の「Hold me tight」、「ロードムービー」とか良い曲揃ってます。何故か喜多さんがメインで歌ってる「嘘とワンダーランド」とか。最後に5曲くらい入ってるライブ音源も非常によろしいです。はい。まぁただ若干マニアックな節があるのでおすすめ度は4.0にしておきます。


フィードバックファイル  2」 おすすめ度:☆☆☆☆★(予想)

2014年発売のコンピレーション・アルバム。カップリング曲の他、「NANO-MUGEN COMPILATION」収録曲も含まれる。

フィードバックファイル 2

フィードバックファイル 2

 

 …えっ、こんなアルバムあったの?マジで?なんで知らないの俺?嘘でしょ?「十二進法の夕景」と「夜のコール」めっちゃ好きなのに?嘘でしょ?特に「夜のコール」なんてもうアジカンの中でもトップクラスに好きなんですけど?マジ?これマジ?こマ?Wikipediaで「アジカン」って調べてるときに初めて存在を知るとかすんごい恥ずかしいんですけど?なんなの?なんかもうよく分からないけどおすすめ度4.5くらいあるんじゃないかな?という予想。早く聞きたいコレ。

 

 

以上です。7000字くらいあるけど全部読んでくれる人いるのかなコレ。まあいいや。アジカン最高っすわ。ほんでなんか2016年秋に「ソルファ」再録版が出るらしいですわ。この記事書くために色々調べてて気付きましたわ。べっ別にこの宣伝のためにソルファを一位にしたわけじゃないんだからね!たまたまなんだから!(本当ですよ)

これには正直、ちょっと期待しております。2016年、アジカン熱が再燃しそうな、そんな予感がしております。皆様も良かったら聞いてみてくださいね。では。

 

「エヴァQは糞、これはエヴァじゃない」とかのたまう輩に鉄槌を下しはしないけれどもエヴァQはあれで良かったんだよちゃんと「エヴァ」してたよと諭すための覚え書き

そうエヴァQなんですよ。新劇ですよ。エヴァ破、ではありません。ちなみに新劇場版では正直「破」が一番好きです。

「破はご都合主義すぎてエンターテイメント作品としてはよくてもエヴァらしくなかった」と言われがちなのでコアなエヴァコミュニティではなかなか肩身が狭い想いをするものですが、それでも酷評といえば「Q」が最たる例の1つでしょう。


日々そんな肩身の狭い思いをしている私ですが、先日こんなYahoo!映画レビューを見かけましてね。

これはエヴァンゲリオンではない。

何たることかと。怒髪天を衝くとはこのことかと。
Qの映画そのものに関しては正直映画館で絶望したのでこの方の発言のニュアンスは正直分かりますし、そもそも2012年のレビューですから新しい意見でもなんでもないわけです。ですのでまあ分かるとしてもですよ、何ですかその「エヴァンゲリオンではない」っていうのは。「エヴァQはエヴァンゲリオンではない」ってのはそんなに世間ではひろく認められた言説なんですかね?
ふざけるなよ、と。
てめえらそこに直れ、と。
俺がエヴァQがどんだけちゃんとエヴァしてるか夜通し語ってやるぞ、と。

 

という訳で素晴らしすぎる元記事( 「ドラゴンボールはフリーザ編で終わってたら名作だった」とかのたまう輩に鉄槌を下しブウ編がいかに最終章として素晴らしいかを力説するための覚え書き - 銀河孤児亭 )に刺激をうけて改変記事を書こうと思ったけれども無理がありすぎるのでここらでやめにして、エヴァQがああいう内容だったのは視聴者への嫌がらせでも震災の影響で適当な鬱シナリオに書き直しただけでもなく、正当な理由があること、すなわち「Q」エヴァだからなのだということをちょっと語ってみたいと思う。

 

 

エヴァQの徹底的な鬱展開

 まずエヴァQの特徴を簡単にあげるとすれば、とにかく終始陰鬱で絶望的な展開ということになると思う。丸々二時間ひたすら鬱展開。分かりやすいエンターテイメントでカタルシスのある展開だった「破」と比べ、その差は一目瞭然だ。同質なものを求めて映画館に足を運んだ観客達が、絶望に打ちひしがれたであろう姿は想像に難くない。

 ストーリーや各キャラの態度などには様々な意見があるからおいておくとして、この「二時間まるっと全部鬱展開」という点に焦点を絞ってみたい。

 エヴァが鬱アニメなのは周知の事実で、旧アニメ版および旧劇場版の頃からそれはそれはひどく陰鬱な内容であった。特にアニメ後半や旧劇場版などは多くの批判を受けた。

 しかし今回の「Q」はそれらをも凌ぐ勢いで鬱だ。ひたすら何も分からないシンジ。何も理解できない上に物語はどんどん悪い方へ進んでいく。そしてシンジと完全にシンクロする観客。一体何が起こっているんだ?誰か説明しろよ。あれほどまでに観客達が一体感を覚えた瞬間が、かつてあっただろうか。いやない。ある意味すごい映画である。そして鬱。鬱。鬱。起承転結もあったものではなく、あえていうなら鬱鬱鬱鬱といった感じ。いくらなんでも異常だと多くの人が感じたのではないだろうか。

 

一体なぜこのような超絶鬱展開にしたのか。正直なところ真実は庵野監督のみが知るところであるが、私の意見を言わせてもらうとするなら、それは「これがエヴァという物語の構造だから」ということになる。それはすなわち、私がある意味「Q」肯定派であることを意味している。あくまで「Q」は「エヴァ」という物語に必要なものであって、映画館では正直金返せと思わなくもなかったというかかなり強く思ったというのが本音ではあるけれども、今となっては新劇場版はやっぱりいいなぁ、シン・エヴァ早く観たいわーと思わせてくれるだけの映画なのである。

何故そう感じるのか、その理由は新劇場版と旧アニメ版+劇場版を対比することで「Q」の必然性に気付いたからであるが、この考えに至るまでには、エヴァの物語がどのような構造になっているかを理解することが必要であった。それにはまず、「何故シンジはアスカの首を絞めたのか」をひたすら考えなければならなかった。このラストシーンを読み解くことが、エヴァという物語の構造を読み解く鍵なのである。

逆に言うと、物語の構造を理解すれば、あのラストシーンの見方が変わる。私はこのとき初めて、「エヴァのことがほんの少しだけ分かった気がする」と感じることが出来た。

 

 

エヴァンゲリオンという繰り返しの物語

そもそもエヴァンゲリオンという作品のテーマはなんなのか。エヴァンゲリオンとはどういう物語なのか。「新劇場版:序」の発表時、庵野監督はこのように発言している。

 

『「エヴァ」は繰り返しの物語です。主人公が何度も同じ目に遭いながら、ひたすら立ち上がっていく物語です。わずかでも前に進もうとする、意志の話です。』

 

もうこれにつきます。大抵の場合、漫画やアニメでは主人公の成長が一つのテーマになる。過酷な試練や強敵を乗り越えて、主人公は劇的に成長していく。ではエヴァの場合はどうだろう?

成長しようともがくシンジ。しかしなかなかうまくいかない。良い事と悪い事の繰り返し。戦ったり、逃げたり、敵を倒したり、引きこもってウジウジしたり。観ている方がやきもきするぐらい、もがき苦しむ。カタルシスがなく陰鬱だと批評され糞アニメのレッテルを貼られることもある。もっと成長しろよと。しかし、現実世界はどうだろう。人は、劇的には成長できない。何度も間違いを犯しながら、少しずつ成長していく。楽しいだけではない、良い事ばかりではない世界。そう、エヴァの、成長できないシンジ君のように。それがエヴァの持つリアリティであり、多くの共感を呼んだ。

 

『シンジ君は今の僕です』

『「新世紀エヴァンゲリオン」には、4年間壊れたまま何も出来なかった自分の、全てが込められています』

 

という庵野監督の発言からも、監督自身の「リアル」そのものがエヴァだと言う事が分かる。シンジがなかなか成長できないのは、リアルさ故なのだ。

 

この「繰り返しの物語」というテーマを劇中で語っている人物が居る。それが「本作のもう一人の主人公」である葛城ミサトだ。特にアニメ版の後半や旧劇場版におけるミサトの発言には、エヴァを読み解くための鍵が多分に含まれている。

 

「今の自分が絶対じゃないわ。あとで間違いに気付き、後悔する。私はその繰り返しだった。ぬか喜びと自己嫌悪を重ねるだけ。でも、その度に前に進めた気がする」

 

旧劇場版におけるこのセリフが、シンジの人生を、そしてエヴァという物語そのものを端的に表している。監督自身の経験を、シンジよりも少し多く知っているのがミサトと言うキャラクターなのだ。

実際、シンジはこの「ぬか喜び」と「自己嫌悪」を劇中で何度も繰り返している。例えば、

 

父さんに呼ばれる(ぬか喜び)→「エヴァに乗れ」(自己嫌悪)

使徒を殲滅して褒められる(ぬか喜び)→トウジを殺しかける(自己嫌悪)

カヲルと出会う(ぬか喜び)→カヲルを殺す(自己嫌悪)

 

このような感じ。特に最後のものが顕著で、この経験によってシンジは「絶対にエヴァに乗らない」という決断をする。今まで他人の意見に流されてきたシンジにとって、これは劇中最大の成長といえるだろう。成長しない主人公として有名なシンジ君だが、実際にはこうして少しずつ「前に進んでいる」のだ。

 

 

このようにエヴァという物語は、シンジが「ぬか喜びフェーズ」と「自己嫌悪フェーズ」を繰り返しながら、少しずつ少しずつ成長していくという構造になっている。まさに「エヴァは繰り返しの物語」なのである。だからこそシンジはこう考える。

 

「生まれてきてどうだったのかはこれからも考え続ける。だけどそれも当たり前のことに何度も気付くだけなんだ。自分が自分で居るために」

 

綺麗なラストシーンでなく、まるで世界の終末のような、これからも辛い事が続いていくような終わり方で物語は幕を閉じる。なぜなら、エヴァは、そして人生は、良い事ばかりではない、「繰り返しの物語」なのだから。

 

Air/まごころを君に でなぜシンジはアスカの首を絞めたのか

 こうして考えると、「Air/まごころを君に」のあの有名なラストシーンにも意味があるのだと分かる。ただ、それは「繰り返しの物語だから」の一言で片付けられるものでないのは明白だ。最後の最後、なぜシンジはアスカの首を絞めたのか。アスカの言い放った「気持ち悪い」の真意はなんなのか。この十数年で数えきれないほどの考察がなされてきた。誰もがシンジの言動を分析し、想像し、それぞれの結論を導いてきた。

私も無数の考察を読んだし自分でも考察した。シンジのセリフや行動原理を理解しようとした。しかしなかなか答えに辿り着けない。そんなとき思い出したのは、監督のある言葉だった。

 

エヴァ』のキャラクターは全員、僕という人格を中心にできている合成人格なんですけれど…」

 

そうだ。シンジだけではない。他の登場人物達もまた、庵野監督の分身なのだ。答えに辿り着くための鍵はそこにある。ここでもう一度、もう一人の主人公ミサトの言動に注目してみよう。

ミサトの最期のシーン。銃で撃たれたミサトは、シンジに語りかけ、自らの想いを告げる。その中にこのようなセリフがある。

 

「自分が嫌いなのね。だから人も傷つける。」

「自分が傷つくより人を傷つけた方が心が痛いことを知っているから…」

 

この部分に私は疑問を持った。シンジが自ら人を傷つけている?行動力のかけらもないウジ虫みたいなシンジ君が?トウジと戦うことを頑に拒否した、あの碇シンジが?

シンジのことを深く考える前に、まずミサト自身について考えてみたい。テレビ版第25話において、ミサトと加持の回想シーンがある。悪名高いテレビ版の25, 26話だが、実はエヴァを読み解くための重要な情報がふんだんに盛り込まれている。良かったらもう一度観返してみてほしい。さて、その回想シーンから一部のプロットを抜粋したい。

 

「加持君の腕の中に、父親を求めていたのよ」

「違うわよ」

「そうよ。あの時、加持君の中に自分の父親を見つけたわ。だから逃げ出したの、彼から」

「怖かったの。まるで、お父さんと」

「でも本当は嬉しかったからなの。それが快感だったの。たまらなく心地いい瞬間だったわ。だから嫌だった。だから別れたの」

「ま、恋の始まりに理由はないが、終わりには理由があるってことだな」

「優しいのね、加持君。その優しさでお願い、私を汚して」

「今、自分が嫌いだからといって傷つけるもんじゃない。それはただ刹那的な罰を与えて、自分をごまかしているだけだ。やめた方がいい」

 

そして、こう言う。

 

「ときどき自分に絶望するわ。嫌になるわよ」

 

ミサトは自分に絶望した時(自己嫌悪フェーズ)、自分を傷つけようとした。加持と交わりを持つことが、ミサトにとっては快感でもあり、精神的な自傷行為でもあった。

ミサトもシンジも監督の分身なのだから、心の深い部分では同じ行動原理が働いているとすれば、シンジも自己嫌悪フェーズに陥った時自分を傷つけようとするはずだ。そのための手段として「人を傷つける」とミサトは言った。人を傷つけることで、自分の心がもっと傷つくから。

そうなのだ。カヲルが使徒だと気付いた時、裏切られたと思ったシンジはぬか喜びフェーズから自己嫌悪フェーズに落とされた。使徒=人類の敵という常識のある世界で、一番の親友が使徒だなんてほとんど笑い話ではないか。激しい自己嫌悪に苛まれたシンジがとった行動は、カヲルを捕まえることだった。そしてカヲルが何を言っているのかすら分からないままに、彼を握りつぶすシンジ。何故シンジは、あそこでカヲルを殺す選択をしたのだろう。

使徒は人類の敵だから」という理由ももちろんあっただろう。実際私はずっとこれが唯一の理由だと決めつけていた。混乱し錯乱したシンジは、とりあえず使徒だから、そしてカヲルが殺してくれと言ったから殺したのだと。しかし、そこには「(カヲルを殺すことで)自分の心を傷つけたい」という自傷衝動があったのではないだろうか。自己嫌悪フェーズにおいて、ミサトがそうであったように。

 

また旧劇場版ではシンジの精神世界が何度も描写される。その中でシンジはアスカに罵られ、最終的にはアスカの首を絞める。

なぜだろう。

リビドー/デストルドーが自己に向くか他人に向くかといった言説がある。

裏切られる恐怖から、裏切られるくらいなら殺してしまえばいいという考え方だという考察も良く見かける。

しかし私にはどれもしっくりこなかった。しかし、「自傷行為」という観点から考えると納得がいった。

 

「なにか役に立ちたいんだ。ずっと一緒にいたいんだ。」

「じゃぁ、なにもしないで。もう側にこないで。」

「あんた、私を傷つけるだけだもの」

「アスカ…。助けてよ。ねぇ…。アスカじゃなきゃダメなんだ…」

「嘘ね」

「あんた、誰でもいいんでしょ。ミサトもファーストも怖いから。お父さんもお母さんも怖いから!私に逃げてるだけじゃないの!」

「助けてよ…」

「それが一番楽で、傷つかないもの」

「ねぇ…。僕を助けてよ!」

「ほんとに他人を好きになったこと無いのよ!自分しかここに居ないのよ。その自分も好きだって感じたこと、ないのよ!」

アスカがシンジを突き飛ばす。

「哀れね…」

椅子を振り回し暴れるシンジ。

「助けてよ…ねぇ、誰か僕を、悩みから僕を助けて…」

「助けてよ…僕を助けてよ!」

「一人にしないで!僕を見捨てないで!僕を殺さないで!」

 

 

 

「イヤ。」

 

 

そしてシンジはアスカの首を絞める。もうお分かりですね。徹底的にこき下ろされたシンジの自己嫌悪感は最高潮だったことでしょう。なにせアスカの言うことは全て的を得ているし、シンジは何も反論できず「助けてよ」しか言えないし、挙げ句の果てには「イヤ」って。なんというストレートな断り方。もうシンジの自我は崩壊寸前、もう嫌だ死にたい。死にたくない。殺さないで。精神状態がもう滅茶苦茶で、自分が嫌でたまらなくて、自傷行為に走るシンジ。その手段がアスカの首を絞めることだなんて、このとんでもない自己中っぷりには感心すら覚えるレベル。アスカのことなんかこれっぽっちも考えてない。でもこれはシンジの精神世界だからいいんです。偽りのない本当の気持ちなのだから。

 

そう、カヲルを殺したのも、精神世界でアスカの首を絞めたのも、「自分の心を傷つけること」が本当の目的だった。それこそが、シンジが絶望した時の自己防衛手段なのだ。

 

ここでもう一度ミサトのセリフに注目したい。

 

「自分が嫌いなのね。だから人も傷つける。」

「自分が傷つくより人を傷つけた方が心が痛いことを知っているから…」

「でも、どんな想いが待っていても…それはあなたが自分一人で決めたことだわ。価値のあることなのよシンジ君」

「あなた自身のことなのよ…。ごまかさずに自分に出来ることを考え、償いは自分でやりなさい」

ミサトさんだって…他人のくせに。何も解ってないくせに!」

「他人だからどうだって言うのよ!あんたこのままやめるつもり!?今ここで何もしなかったら、私、許さないからね…。一生あんたを許さないからね」

「今の自分が絶対じゃないわ。あとで間違いに気付き、後悔する。私はその繰り返しだった。ぬか喜びと自己嫌悪を重ねるだけ。でも、その度に前に進めた気がする」

 

この時のシンジは、カヲルを殺したことにより「エヴァに乗る=大事な人を傷つける」という事実に気付き、絶対にエヴァに乗らない決意をしている。

それに対してミサトは、何もしないより行動しろとシンジを諭す。後悔したっていい。心が痛むかもしれない。ミサト自身も、何度も自分に絶望し、自分の心を傷つけてきた。しかしそれでも、そうやって、繰り返し繰り返し、少しずつ前に進んできた。だからあなたも、何度だって繰り返せばいい。立ち止まるよりも行動しなさい。そういって、別れを告げるミサト。

シンジはその場では結局エヴァに乗ろうとしなかったが、このミサトの教えを、ラストシーンで忠実に守ることになる。

 

最後のシーンでも、ぬか喜びフェーズ→自己嫌悪フェーズの繰り返しを見て取ることができる。

サードインパクトを起こしてスーパー自己嫌悪タイムに入ったシンジ君。しかし手に握ったミサトさんのペンダントを見ながら思う。もう一度、皆に会いたいと。

ここでシンジはミサトの言葉の意味を理解する。人生は繰り返しなのだと。良い事もあれば、嫌なこともある。それが現実なのだとようやく気付く。それが、レイとカヲルとの会話で分かる。

 

「僕の心の中にいる君たちは何?」

「希望なのよ。人は互いに解り合えるかもしれない、ということの」

「好きだ、という言葉とともにね」

「だけどそれは見せかけなんだ。自分勝手な思い込みなんだ。祈りみたいなものなんだ。ずっと続くはずないんだ。いつかは裏切られるんだ。僕を見捨てるんだ」

「でも、僕はもう一度会いたいと思った」

「その時の気持ちは、本当だと思うから」

 

こうして物語の構造、ひいては監督の考える人生の構造を少しだけ理解できたシンジ君。脳裏にはNERVや学校の皆の顔が浮かぶ。その中心には、笑顔のシンジがいた。世界を滅ぼすような自己嫌悪フェーズを乗り越え、晴れやかな次のぬか喜びフェーズへ足を踏み出すシンジ。

母ユイと対話するシンジ。

 

「幸せがどこにあるのか、まだ分からない。だけど、ここにいて、生まれてきてどうだったのかはこれからも考え続ける。だけどそれも当たり前のことに何度も気付くだけなんだ。自分が自分で居るために」

 

ようやく現実を見つめ始めたシンジ。なんかすごい成長してる。これは王道ハッピーエンドの予感!と思わせておいて、例のシーンが始まる。

 

 

 

 THE END OF EVANGELION

 ONE MORE FINAL:   I need you

 

 

 

タイトルが表示されたあと、目を覚ますシンジ。真っ赤に染まった世界で、自分とアスカだけが横たわっている。もうどう見ても世界滅んじゃってる。うそーん。世界復活するんちゃいますのん?と関西弁で思ったかどうかは分からないが、ぬか喜びフェーズも束の間、一気にまた自己嫌悪フェーズに落ちるシンジ。だって世界滅ぼしちゃったんだから。

そしてアスカの首を絞めるシンジ。なぜなのか、理由はただ一つ。

絶望したから。

自己嫌悪フェーズにおける(精神的な)自傷行為としてこのとき最も自分の心を痛めつけられることはアスカを殺すことだろう。自分以外でこの世に一人しかいない人間なのだから。

ここで「シンジはアスカのことが好きなのにそんなことするわけがない」みたいな頓珍漢な反論をされる方もいるかと思いますが、それは全くもって的外れです。むしろそれは首を絞めるための理由として好材料の一つです。この時の彼の目的は自分の心を痛めつけることなのだから。

 

そう、シンジが最後にアスカの首を絞めた理由は一言でいえばこうです。

 

「自分の心を傷つけたかったから」

 

 

 

エヴァ旧劇場版はバッドエンディングではない

 「Air/まごころを君に」のラストはグッドエンディングかバッドエンディングどちらだと思いますか、こう聞かれたら大抵の人がバッドエンディングだと答えるのではないだろうか。

実際に私もずっとこれはバッドエンディングの類だと考えていた。

しかし、上記のような視点で物語を読み解いていくと、実は旧劇はグッドエンディングだったのではないか?という気持ちがふつふつとこみ上げてきた。

 

エヴァはシンジの物語であり、シンジとは庵野監督自身だ。庵野監督の弱い部分や暗い部分がこれでもかというほど如実に現れている。では、この物語におけるグッドエンディングの定義とはなんだろう。

世界を救うこと?人類を補完すること?アスカやレイやミサトが楽しく生きていけること?

完全に個人的な意見になるが、私の出した結論はこうだ。

エヴァンゲリオンにおけるグッドエンディングの定義は二つある。それは、

 

  • シンジが成長すること
  • シンジの人生が前に進むこと

 

こうだ。これはエヴァンゲリオン庵野監督の人生に置き換えてもらえば分かりやすいと思う。

このような観点から旧劇のエンディングを考えてみたい。

 

まず一つ目の「シンジが成長すること」だが、これは明らかに満たしている。

いつまでたっても成長しないというイメージで良く語られるシンジだが、アニメ版と旧劇場版を通してほんの少しずつ成長している。

特に旧劇場版で頑にエヴァに乗らなかったことは特筆すべき成長だ。普通に考えたらアスカを助けるためにエヴァに乗った方が良さそうなシーンである。ミサトも頼むからエヴァに乗ってくれと命をかけてシンジを諭した。

しかし彼は気付いていた。いつもそうやってエヴァに乗っていたが、本当に世界を守れているのか?世界とはなんなのか?自分を一番必要としてくれたカヲルを殺してしまったのは、他ならぬエヴァに乗った自分なのに。

エヴァに乗れば大切なものを守れるように一見思えても、実際はそうじゃないんだ。そう思って彼はエヴァに乗らない決意をした。それは今までのように人に言われて決めたことではなく、自分自身で考えた決断だった。紛れもない成長と言えるだろう。

 

そして上記の通り、レイやカヲル、ユイとの対話の中で「人生とは繰り返しの物語なのだ」ということに気付く。この成長は、良くあるアニメの主人公の劇的な成長にもひけをとらないものだろう。ただ、精神的な、あるいは哲学的なことであって、髪の毛が金色になったり時を止めれるようになったり火影になって里を治めたりする訳ではないので分かりにくいのはあるが。

 

次に「シンジの人生が前に進むこと」という点。これに関しては、もう一度シンジとアスカのラストシーンを振り返ってみたい。

 

目を覚ますシンジ。

真っ赤に染まった世界。

隣で横たわるアスカ。

アスカの首を絞めるシンジ。

苦しそうなアスカ。

しかし、そこでアスカのとった行動は、シンジの頬に手を差し伸べることだった。

 

首を絞める手が解ける。

泣き出すシンジ。

嗚咽が漏れる。

そして最後にアスカはこう言う。

 

「気持ち悪い」

 

ああ、なんということでしょう!

首を絞めている相手が頬をさすってくるなんて。シンジ君困惑。やだこんなの初めて。とてつもない自己嫌悪フェーズの中で、アスカのことなんかこれっぽっちも考えず、ただただ自分のためだけに首を絞めてたのになんか頬さすられたよ。何これ訳分かんない。もしかして愛ってやつ?俺、愛されてる?なに?ヤバい泣けてきた。混乱。意味わかんねぇー。意味分からんけど泣けるー。

 

私がシンジだったら多分こうなる。 

 

今までにない展開。自己嫌悪フェーズで絶望している自分を救ってくれる人。ミサトにとっての加持。そういう人がシンジにはいなかった。精神世界においてすら、アスカに、ミサトに、レイに、拒絶された。絶望において自分を救う手段は、自分を傷つけて刹那的な罰を与え、自分をごまかすことだけだった。

 

それが今、絶望の淵に立つ自分に、手を差し伸べてくれる人が初めて現れた。それも、首を絞められるという滅茶苦茶に理不尽な状況においてさえ、手を差し伸べてくれる人が。

 

ぬか喜びと自己嫌悪を繰り返す人生の中で、そのサイクルの進め方が変わるかもしれない。そういう新しい光として、ここにアスカがいる。アスカはシンジにおける「救い」であり、人生における「希望」なのだ。

 

絶望から自分を救ってくれる希望の光と初めて出会った。

このラストシーンでシンジの人生は大きく前に進んだのだ。

 

そういうわけで私の考えたグッドエンディングの定義に完璧に当てはまっているためエヴァはグッドエンディングだ!そうなんだ!庵野さんマジリスペクト!

 

そう考えると最後の「気持ち悪い」も愛情のこもったセリフに聞こえてくる。

廃人同然の自分をオカズにするような、

大量のエヴァと一人で戦っていても助けてくれないような、

二人きりの世界で首を絞めてくるような、

どうしようもなく「気持ち悪い」シンジ。

仕方が無いから、私が一緒に生きてあげるわよ。みたいなね。

 

ちなみに最後のラストシーンはアスカとシンジ両方の願いを一応叶える形になっているというのもポイントです。

アスカの願いは、シンジの精神世界における

 

「あんたが全部私のものにならないんなら、私、なにもいらない」

 

であり、シンジの願いは旧劇冒頭における以下のセリフである。

 

ミサトさんも、綾波も、怖いんだ…。助けて…助けてよアスカ…」

「ねぇ…起きてよ、ねぇ…目を覚ましてよ…ねぇ…ねぇアスカ…アスカッ…アスカッ!」

「助けて…助けて…助けてよ…助けてよッ…助けてよッ」

「またいつものように僕を馬鹿にしてよっ!ねぇ!!!」

 

 

 

新劇場版における繰り返しの構造

 なんだか話が逸れに逸れてしまったが、上記の通り、エヴァンゲリオンとはぬか喜び→自己嫌悪(絶望)を繰り返す物語だ。それは新劇場版になっても変わらない。

新劇においては特にぬか喜びフェーズが強調して描かれている。ゲンドウはやたら褒めてくれるし、綾波はポカポカするし、なんか色々うまくいきがちである。そのためこの繰り返し構造が見て取りやすい。

 

「Q」の話をする前に、まずは「破」における繰り返しについて考えてみたい。

皆さんももうお分かりだと思うが、「破」ではぬか喜び→絶望のサイクルが二回ある。正確には一回半かもしれない。初めの方を絶望にカウントすれば二回だ。

一回目のぬか喜びフェーズは明確だ。使徒殲滅以降、物語はどんどんいい方向に進んでいく。旧アニメ版の名シーンはポジティブな形で置き換えられる。綾波はアスカのビンタをとめるし、ポカポカするし、食事会開こうとするなんとゲンドウも行こうとする。アスカは孤独よりも人といる楽しみを見いだすし、私、笑えるんだってなるしトウジの妹は退院するしマリのケツはプリプリしている。

史上かつてないほどのぬか喜びフェーズは新規ファンでも楽しめるかたわら旧からのエヴァファンへのリップサービスにも溢れていて、面白過ぎて不安になるほどだった。エヴァってこんなにうまいこといく話だっけ…?上げるだけ上げてガッツリ落とされるんじゃね…?

そんな観客の不安は的中し、アスカは3号機に取り込まれレイは使徒に食われで後半は完全に絶望のフェーズとなっている。このような構成は映画ではよく見られるものであるが。

 

しかし。なんと絶望フェーズで終わらなかったのが「破」の驚くべきどころだ。旧劇は希望とであったとはいえ世界に二人しか残らなかったという完全な絶望フェーズで終幕したため、エヴァといえば絶望で終わるというイメージが少なからずあったと思う。

ところが「破」ではまさかのシンジ君覚醒。自分自身の願いのために、自分で戦って勝利を勝ち取るシンジ君。私が死んでも代わりはいるもの発言をまさかの否定。これまで見たことのないようなぬか喜びフェーズに突入したところで「破」は終わった。

エヴァにおける謎やフラストレーションを一気に解放するようなカタルシス。初めて見たときめちゃくちゃ感動したよ。面白かった。破。

 

まあそういうわけで「破」におけるサイクルは

(絶望)→ぬか喜び→絶望→ぬか喜び

となっている。

それも、最後のぬか喜びがものすごく大きいのがポイントだ。

 

次に、新劇場版全体について考えてみる。

新劇場版は「序」→「破」→「Q」「シン」という構成なわけだが、ここにも繰り返しのサイクルを当てはめることが出来るのではないだろうか。

「破」という作品そのものを考えると、ぬか喜びか絶望かでいえば完全にぬか喜びである。結局最後はシンちゃん覚醒で使徒ぶっ倒してサードインパクトも止まりましたよーなんて都合が良すぎる。大きな大きなぬか喜びフェーズだ。

「序」はまぁ旧アニメとあまり大差のない内容だが、全体的にあまり明るい雰囲気でもないし、そもそもエヴァなんかに乗らなくてはならなくなったというシンジ君の事情を鑑みればちょっとした絶望フェーズだろう。つまりこうだ。

 

「序」(絶望小)→「破」(ぬか喜び大)→「Q」(?)→「シン」(?) 

 

そう、エヴァという繰り返しの物語において、非常に大きなぬか喜びフェーズが「破」なのだ。そうすると、次にくる「Q」はそれと同様かそれ以上に大きな「絶望フェーズ」でなければいけない。そうでなければ「繰り返しの物語」ではなくただのご都合主義の楽しいロボットアニメになってしまう。

 

だから「Q」はあれほどまでに、徹底的に絶望的だったのだ。鬱展開だったのだ。それは、新劇場版が「エヴァ」であり、庵野監督の人生観がまだ変わっていないことを意味している。人生は繰り返しの物語であり、エヴァ庵野監督の人生そのものなのだ。それは新劇場版になっても変わらない。

 

だからなあ、エヴァQを「あれはエヴァじゃない」なんて言ってる奴がいたら俺の所に連れて来い。デアゴスティーニ片手に夜通し説教したる。エヴァQは新劇場版における絶望フェーズなのだ。そうでなくてはいけないのだ。以上。俺に言えるのはそんだけだ。


願わくば、この記事を通して少しでも多くの人間がエヴァQのDVD/BDを買ってくれますように。

 

 (まあその上で「単純にエヴァQつまんないじゃん」とか言われちゃったらどうしようもないけどな。ぶっちゃけ俺も最初そう思ったし。というかここにきてまた元記事の文体パクってすみません、やりたかったんです)

 

最後に。旧エヴァと新劇場版の関係性について少し語らせてほしい。

 

 

 

エヴァと新劇場版の対比

 旧エヴァと新劇場版のストーリーのつながりというのは最も考察が盛んなトピックの一つであり、様々な説が唱えられている。

ここではそのような直接的なつながりではなく、物語の構造としての対比を考えたい。新劇場版は旧エヴァの「リビルド」的な立ち位置なのだから、旧エヴァとの対比を意識しながら作られているのは間違いないからだ。

 

まず、「序」はアニメ版の前半とほとんど構成も同じなので特筆するべきところはない。

「破」と旧エヴァの関係性については、サードインパクトが起こった点に着目すれば旧劇場版と 、カヲルが現れた点からすると第24話と、ゼルエルが現れてレイが死ぬところからすると第20話と対応している。

ここで再び「繰り返しのサイクル」に注目したい。

旧アニメ版における第20話は非常に特徴的な絶望フェーズの一つだと思う。初めて見たとき正直震えた。怖いよ初号機。

そして第24話は長かった絶望フェーズを抜けてついにぬか喜びフェーズに足を踏み入れる回だ。カヲルという存在によって救われていくシンジ。このぬか喜びは今までのどれよりも勝っていたかもしれない。「好きだ」と言われたのも初めてだった。

しかし24話の後半で一気に絶望フェーズへと落ちる。今までで一番自分を必要としてくれた人を、自分の手で殺したことによる絶望。大きな大きな絶望フェーズである。

そして旧劇場版は基本的にはひたすら絶望フェーズ。世界の修復を願うあたりで一瞬ぬか喜びフェーズがあって、またすぐにラストシーンの絶望。

ラストシーンの最後の最後は、見方によってはぬか喜びフェーズに見えないこともないかもしれない。

 

以上をまとめるとこうなる。

 

第20話(絶望)

→第24話前半(ぬか喜び大)

→第24話後半〜旧劇(絶望大)

→旧劇終盤(ぬか喜び小)

→ラストシーン(絶望大)

→(ラストシーンの最後(ぬか喜び?))

 

これを新劇場版のサイクルに当てはめると、以下のようになると思う。

 

「破」後半(絶望)

→「破」ラスト(ぬか喜び大)

「Q」前半(絶望大)

「Q」カヲルと会う(ぬか喜び小)

「Q」後半(絶望大)

→(「Q」ラスト(ぬか喜び?))

 

詳しい説明は省略するが概ね理解は得られるのではないだろうか。

「Q」でのカヲルとの出会いによるぬか喜びのインパクトは、旧エヴァに比べて小さかったように思う。すぐにサードインパクト後の世界を見せられて絶望したし。ヤリでヤリ直すとかもシンジ君あんま意味分かってなかったっぽいし…。

「Q」のラストは絶望かと思いきやシンジは一人じゃないし、アスカは元気だし、一応ぬか喜びフェーズということもできるだろう。シンジ君は絶望してるけどね。

 

 

以上が旧エヴァと新劇場版の対比であるが、何故このような解説をしたかというと、「シン」への期待からである。

エヴァQは時系列的には旧劇場版より14年も進んで、新展開だ!新展開!と思いきや物語の構造としてはちょうど旧劇が終わったところまでなのである。

つまり次回作の「シン・エヴァンゲリオン」からがエヴァにとって本当の新ステージだということであり、そこに続く「Q」のラストシーンが歩き出すシンジ・アスカ・レイの三人であることが私に希望を与えてくれる。

 

すなわち旧劇ラストでの「真っ赤な世界で横たわる二人」と対比して「真っ赤な世界で歩き出す三人」というのは、「エヴァンゲリオン」という繰り返しのサイクルの中で、「エヴァ」という絶望フェーズを乗り越えて、新劇場版は「希望」というぬか喜びフェーズで終わりを迎えてくれるのではないかという庵野監督への期待であり、希望であり、私個人の願いが叶う可能性を示唆してくれる光なのだ。

 

 

 

という訳で庵野さん、早くシンエヴァ作ってくださいお願いします。。期待してますよ。。。

 

 

 

(私のエヴァに対する理解や見解は今まで無数に見てきた考察サイトや本等に基づいて構築されたものであり、私一人ではここまでエヴァを深く考えることは到底できなかったでしょう。そういう点で、全てのエヴァファン達に感謝するとともに、多分私の考えの半分かそれ以上は「エヴァンゲリオン」のページにある素晴らしすぎる考察があってこそのものだということをここで白状しておきます。というかこのページの内容をそのまま書いている部分もあるかもしれません。もうどれが自分の考えとかよく分からなくなってます。基本的にはこのYasuakiさんの考察がオリジナルだと思ってください)

 

 

 

ベイマックスは理系の大学生が見ればきっとテンションが上がる面白い映画でした

噂のベイマックスを観てきました。事前にほとんど情報を仕入れずに観たのでビックリしました。マーベルだったのね。これはCM詐欺と言われてもおかしくないですわ。まぁ面白かったから別に良いんですけど。せっかくなんで感想でも書こうと思うんですけど微妙にネタバレかもしれないので見たくない人はこの先ご注意を。

 

個人的に一番良かったのはシーンはものすごく序盤で、主人公のヒロはめっちゃ賢いのにその頭脳を持て余して違法なロボットファイトに明け暮れてるろくでなしみたいなかわいげない14歳の少年なんですけど、見かねた兄のタダシがいきなり自分の大学の研究室に連れて行くんですよ。そこには面白い研究・開発をしている人がたくさんいてヒロの知的好奇心が刺激される。そしてそこの教授でありロボット工学の権威でもあるキャラハン教授と出会うわけです。研究室を出たヒロは一言、「僕は絶対この大学に入りたい!でないと生きている意味がない!」と。これですよ。最高すぎますね。大学とはかくあるべきですよね。それとベイマックスが「人の役に立つため」に作られたんだと言って残虐な行為を拒否したりするところもテクノロジー信仰者の方達的にはグッとくるんじゃないでしょうか。僕はグッときました。テクノロジー最高や。ありきたりっちゃありきたりな展開なんですけど、見せ方がうまいからテンションが上がるんですよね。理系の人間ならそういう面も楽しめると思うので理系の皆様、是非。ストーリーとかアクションシーンとか色々はなんかヨッピーさんの記事( ベイマックスが最高すぎて恐怖すら覚えた件 - ヨッピーがブチ切れまくるブログ )とかその辺適当に読んでください。あとベイマックスかわいかったです。良い映画。

世の中には二種類の大学院生がいます。それは

朝起きられる大学院生とそうでない大学院生です。

大学院入試に出るので覚えておいてくださいね。

 

え、僕?もちろん後者ですよ決まってるじゃないですかーやだー。僕のロングスリーパーぶりといったら中村名人*1もビックリですよ。クリス・クロスアラウンド・ザ・ワールド*2ですよ。ハイパーブレインが好きです。

 

そんなわけでこないだこんなの見たんですわ。


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1日2時間睡眠!?ほほほ欲しい…!

だってあれですよ睡眠時間てはっきり言って無駄じゃないですか時間の。僕クラスの長眠者*3になると睡眠時間が二桁時間を切る事の方が少ないですからね。週4で二桁いってます。二桁っつってもアレだよ、うわー10時間も寝ちゃったわーやばいわーとかそんなレベルじゃねぇぞ。16時間とかだぞ。夜に寝たのに起きても夜。意味が分からない。むしろ時空を遡って逆8時間睡眠したと考えた方が意味が分かる。いや分からない。ホリエモンが僕毎日8時間寝てますよとかいってえーあのホリエモンもそんなに寝てるんだ!すごい!とかバカか。俺の方がすごいわ。倍すごいわ。もはや人間というよりハリネズミみたいになってっからな。そろそろナマケモノ界からスカウトされる気がする。しねぇよバカ。あいつら怠けてっからスカウトとかしないわ。

 

取り乱しました。でもよく考えてくださいよ、僕が起きてる時間フルに働いても8時間睡眠の野郎共にとっては一日の半分働くのと同じなんですよ不公平でしょう。差別でしょう。ロングスリーパー手当を配ってくれいアベさんよ。カタカナで書くと阿部サダヲっぽいねって言おうとしたら名字は漢字じゃん!寝すぎてアタマがポンコツ化している…眠い…

 

ほんで昨日もケンキュウ室着いたの5時ですわ。ゴジ。誤字じゃねーぞ。むしろ誤字であってほしかったわ。時計の。実は午前8時だったらどんだけよかったか。だがそんなことは起こり得ない。生々しい現実が僕を引き止める。5時て。アフター5ってそういう意味だったの?始業時間?そんなんだから進捗も出ませんわ。頑張ってやってるけど一日が8時間しかないんだもの。神は世界を作り人類を生み出したけれどもそこに平等などない。戦わなければ生き残れない。世界は、残酷なんだ…エレン…

 

なかなか進捗が出ないもんだから休日とか祝日もケンキュウしますよね。間に合わないから。クソが。時間がきっちりしていないが故に慢性的に忙しくなる、これが大学院生です。これもテストに出るので要チェケラです。ハロウィンとか今年すごい盛り上がってて友達もなんかパーティ行ったとか仮装したとか言ってくるわけです。何?仮想化した?俺はVMWare使ってるよ、なんて言いながら研究してたんですよ。進捗がないから。トリックオアトリートじゃねーよそんな暇ないんだよ。進捗オアDieなんだよこっちは。コンコン、と研究室のドアがノックされたので開けてみると満面の笑みを浮かべた教授が「進捗 or Die!!進捗くれなきゃ○しちゃうぞ☆」なんて展開になるんじゃないかと怯え泣き震えながらキーボードをカタカタやってたっていうのに世間は冷たい。世知辛い世の中。孤独な社会。資本主義という正義を振りかざし弱者をいたぶる邪悪な世界。ちなみに研究室は資本主義ではありません進捗主義です。進捗なき者食うべからずとはよくいったものです。ちなみに進捗が出せたらカップ麺が食べれます。幸せな世界だなあ。

 

というわけで最後にもう一度おさらいをしておきますね。

 

世の中には二種類の大学生がいます。

それは「進捗を出せる大学院生」と「失踪する者*4」です。

これから大学院に入ろうと考えているものは肝に銘じておくように。以上!

 

*1:ハイパーヨーヨー界のカリスマ

*2:何かすごい技

*3:日本語で言うと超能力者みたいになる。いやなってない

*4:割とたくさんいます

「君たちはゆとりです」って言われた事あります?

僕はあります。

 

大学のある授業で第一回の冒頭に言われました。君たちはゆとりです、この授業は複雑な数式がたくさん出てくるから君たちゆとりには厳しいかもしれない。だからまぁ頑張れ的な。いやいや待てと。決めつけも大概にせんかい、ほぼ初対面でなんでそんな事言われなあかんねんオイ大体なんや?お前らおっさん世代がゆとり教育とか言い出したんちゃうんか?ああん?なんでこっちが文句言われなあかんねん教育した側に問題があるんちゃうんかコラ大体なんやそもそも学習時間を減らして詰め込み型教育を止めるのが目的やったんちゃうんか所謂学力の低下なんて容易に予想できた事ちゃうんかこのハゲが、と句読点なしかつ関西弁でキレてもおかしくない場面だったんですが、この時は不思議と腹が立たなかったんですよね。なんというか、「あぁそんな風に思われてるんだなあ」という諦めにも似た感情でした。もう好きにしてくれと。

 

世代というくだらないくくりで括られることは非常に不本意で腹立たしいものですが、大学教授すらそういう認識をしているならある程度は仕方がない、受け入れていかなければならないことなのかという風に感じています。そこで、勝手ながらゆとり世代を代表し、世間に対して若者の考えというものをビシバシ発信していきたい!僕たちゆとり世代がどんな風に生き何を考えどんな人生を送っているのかをブログで発信することで少しでも世の中に関わり、社会の発展に貢献したい!などということは微塵も考えていません。ただただ下らない駄文が書きたいという衝動を押さえきれずにブログ開設しちゃいました。暇で暇で仕方がない方もしくは男子大学院生の日常に興味があるという奇特な方はお付き合いくださいませ。

 

そんじゃーね (いきなりパクリから始めるという衝撃の展開)